ゼロからわかる自費出版。企画出版との違いや、メリットを解説。

誰でも自由に考えを発信できる時代。本の世界でも、素人の方の出版例が増えています。個人が自由気ままに想いを綴った文章や、何十年も続けてきたマニアックすぎる趣味の本。そうした作品には、プロの作家とはまた違った魅力があります。きっとみなさんにも、一度は本にしたいと思ったテーマがあるのではないでしょうか?

本づくり相談室では、本をつくりたい方向けに自費出版の情報をお届けします。第一回はズバリ、「自費出版って何?」がテーマ。長年本づくりに携わってきたプロとして、わかりやすく解説してみようと思います。

まずは2つの出版方法を抑えよう。

出版の種類は、大きく「企画出版(商業出版)」と「自費出版」に分けられます。それぞれの基本的な特徴は以下の通り。

企画出版

出版社が出版費用を負担するのが企画出版です。「企画」というのは、要するに「出版社が本を企画する」ということ。書店に流通する商業出版の場合の大半は、この方法でつくられています。

当然、出版費用は出版社が出すので、それを回収した上に儲けを出す必要があります。つまり、とにかく売れる本をつくるのが大命題。こんな本をつくろう、だからこんな作家やライターにお願いしよう、といった具合に、実績のある著者が起用されやすく、一般人がデビューするのは容易ではありません。文学賞を獲ったり、出版社にメリットのある企画を考えて持ち込んだり、さまざまな段階を踏む必要があります。

〈企画出版の特徴〉
・出版社が費用を出す
・素人がデビューするのは困難
・内容は、出版社の意志に沿う必要がある
・出版社のブランド力で、販売しやすい

自費出版

一方、自費出版は著者が出版費用を負担する方法です。企画出版とは違い、基本的に誰でも本を出すことができます。書店に流通しないプライベート本(私家本)もたくさんつくられていて、出版の目的は著者の数だけあります。出版社はスポンサーである著者の希望に応えつつ、いかに良い本がつくれるかが腕の見せどころ。安い、手軽、高品質など、出版社ごとに個性は違うので、自分に合った会社を探してみてください。

参考:パレードブックス5つの特徴
デザイン力、対応力…正直、すべてオススメです!

〈自費出版の特徴〉
・自分で費用を出す
・誰でも出版可能
・自分の思い通りにつくることができる
・販売力は弱い

誰が費用を出すかによって、メリット・デメリットが大きく変わります。まずはそれぞれの違いを把握して、どちらを目指すべきかを考えましょう。

自費出版のメリットを詳しく解説。

次に、自費出版にテーマを絞って、さらに掘り下げていきます。どんな方に向いているんでしょうか?

・自由につくれる

企画出版の場合、編集者は本の内容にどんどん口を出します。自社の商品をより売れるものにするためには当然のことですが。場合によっては事実と異なる大幅な脚色を求められることもあり、著者によっては大きなストレスになることもあるようです。その点、自費出版の場合は著者の意向が最優先ですから、本の内容を自由に決められるという良さがあります。

過去には多くの作家が、さまざまなしがらみを嫌って自費出版本を出版してきました。自費出版には、なにより著者の「表現の自由」を守るという非常に大きな役割があるのです。

・自由に使える

本の所有権は出版費用を負担した側のもの。企画出版の場合、著者の権利は大きく制限されます。必要になったら欲しい分だけ取り寄せるような自由な使い方はできませんし、増刷・絶版のタイミングも出版社次第です。本の活用方針を柔軟に決めていきたいなら、自費出版のほうが向いています。

・個人で出資しない方法もある

最近は共同出資による共著本や、クラウドファンディングを利用した出版例も増えています。出版をひとつのプロジェクトとしてとらえて、作品の意義を世に問いかけるのは有意義なこと。まずはご自身のSNSやクラウドファンディングサイトを通して、賛同してくれる同志を探してみるのもいいんではないでしょうか。

・還元率が高い

あまり語られないことですが、自費出版は本が売れた場合の支払い率が高いのも特徴です。

企画出版の場合は出版社が費用を負担するため、本が売れた場合の支払いは10%前後(これを印税と言います)。一方、自費出版は最低でも20%と、全体的に高い還元率になっています。著者が負担しているわけですから、当然受け取る売上げも多くなるわけです。

ちなみにパレードブックスは50%と、業界最高クラスの設定。「つくった本は著者のもの」という考えから、書店・取次店の取り分と販売管理費を除いた、実質100%を著者にお支払いしています。

以上、4つの大きなポイントをあげてみました。もう一歩踏み込んだ見方をすると、そもそも「出版社に認められるまで何もしない」ということ自体が大きなリスク。ご自身の魅力、アピールしたいことをすぐに発信できるという点は、それだけで大きなメリットです。

堀江貴文さんが著書『なぜ堀江貴文の本はすべてがベストセラーになるのか?』でも仰っているとおり、大事なのは「スピード(すぐにできること)」と、「本を出して得られる信頼性」なのです。

使い方は十人十色。自費出版の自由自在な活用方法。



ネット上などで自費出版についてまとめた記事の中には、「自費出版は儲からない」というネガティブな声もあります。それは半分だけ当たり。有名作家の本も思うように売れない時代に、ただ利益をあげる目的だけで自費出版するのは確かに分が悪いでしょう。ただしもう半分の見方をすると、かなり的外れな意見だと分かります。

なぜなら、本は売るためだけにつくられるわけではないからです。たとえば、次のような使い方もあります。


【活用例】
・ビジネス本を名刺代わりに配布。知識やスキル、信頼性をアピール

・サークルや教室で仲間とつくった作品集を本に。記念に残るだけではなく、日々のモチベーションアップに繋がる

・展覧会にあわせて、画集や図録を制作。カタチとしてファンの手に渡ることで、SNSでの拡散、仕事の依頼など、新たな展開が生まれることも

・自分史づくりを通して、親戚や友人とコミュニケーション。懐かしい話に花を咲かせつつ、完成した本をプレゼント

自費出版の良さは、なんといっても自由度の高さ。作品、記念、ビジネスツール。本を書く目的は著者の数だけあり、それぞれに合った使い方ができるからこそ確かな満足が得られるのです。ぜひみなさんも、「本をつくったら何をしようかな?」と思いを馳せつつ、人生の宝物と呼べる本をつくっていただきたいと思います。

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