紙えらびで変わる本の印象。

こんにちは。出版コーディネーターの原です。
早いもので、今年も残りわずかとなりましたね。今年は「パレードブックスストア」の開催や、東京支社の神保町への移転など、私たちにとっても新たな挑戦の多い一年でした。来年も、みなさまの本づくりをお手伝いできることを楽しみにしています！私個人の目標としては、趣味で続けているイタリア語の勉強。毎日コツコツ続けて今日で496日になりました。来年こそはネイティブの方と話してみたい…という小さな夢を抱いています。
さて、今回のテーマは「本の紙」について。普段は何気なく手にする紙という素材ですが、本づくりにおいては、実はとても奥深いのです。

紙は書籍の印象を決める大切な要素。
表紙だけでなく本文用紙にもこだわりを。

本を手に取ったとき、紙の手ざわりや色、厚みの違いに気づいたことはありませんか？ざらざらした紙、ツルツルした紙、少し黄みがかった紙、青白い紙…。これらの違いは、“本の印象”や“読み心地”に大きく関わっています。同じ内容の本でも、紙が変わるだけでまったく違う雰囲気に感じられることもあるんです。辞書のように分厚い本には薄くて軽い紙が使われる一方で、書き込み式のテキストや絵本などには、耐久性を高めるため少し厚みのある紙が使われるなど、ページ数や用途にあわせて紙の厚さも工夫されています。

たとえば文芸書（小説やエッセイ）では、クリームがかった紙が主流です。光の反射を抑え、長時間読んでも目が疲れにくいのが特徴。一方、モノクロ写真やカラーページが多い本では、白い紙がよく使われます。インキの発色が、紙の色に左右されないようにするためです。コート紙など、表面にコーティング剤が施されている紙は、インキが紙に吸い込まれにくく、色がより鮮やかに再現されるので、写真集や絵本などでおなじみです。

書店にはたくさんの本があって、紙えらびの参考の場でもあります。詩集や作品集などでは、より個性的な紙を使って作品に合った雰囲気に仕上げることもあります。パレードブックスでは、本のジャンルや仕様（モノクロ・カラーなど）、ページ数に合わせて最適な紙をご提案しています。もし紙の色味や質感にこだわりがあれば、ぜひご相談ください。せっかくの本づくり、紙にもこだわってみると面白いかもしれません。

積読解消。

今年も年の瀬が近づいてきました。慌ただしい日々の中で、ついつい積読（つんどく）していませんか？購入した本が、1ページも読まれずに部屋の隅に積みあがったままではもったいないですよね。せっかくの年末年始、「積読」を解消してみてはいかがでしょうか。一人では集中しづらい方には、「積読イベント」がおすすめ。本を持ち寄ってカフェで黙々と読書する会や、読後に感想を共有する会、オンラインで一斉に読んで質問し合う会など、さまざまなスタイルがあります。どれも評価や強制はなく、肩ひじ張らずに参加できるのが魅力です。定期開催している会も多く、続けるうちに読書が習慣化することも。他の参加者の本を通して、読書の世界も広がるかもしれません。新年を迎える前に、読書習慣を始めてみませんか。