自費出版のよくある流れ、手順ごとの注意点を教えて?

ご質問ありがとうございます。
今回は自費出版の流れについて。本づくりの相談をしようにも、自費出版の会社がどんなところかすら想像つかない方がほとんどでは? 私たちパレードブックスを例に手順や注意点をまとめてみますので、はじめての相談前にぜひご覧ください。

相談

東京支店は打ち合わせ室に、大阪本社は事務所の棚に、過去につくったすべての本を並べています。また遠方にお住まいの方には、ご希望のジャンルに合わせたサンプル本をお送りしています。これまでつくった本の実物を見るって、すごく大事なことだと思うんですよね。ネット上では、中面のデザインや細かいこだわり、紙質、印刷品質はどうしても分かりませんから。



パレードブックス東京支店。実際に本を手に取りながらご相談いただけるので、つくりたい本のイメージがわいてきますよ(シュワちゃんは他部署の制作物なので、本とは関係ありません…)。


見積もり

パレードブックスは業界でもいち早く価格表をつくって公開しました。今でこそ少しずつそういう会社も増えましたが、最初はすごく驚かれました。本は同じページ数でも原稿の複雑さによって手間が全然違いますし、一律の価格にする難しさがあるんです。

うちがそれを公開できた理由は、母体がデザイン会社で、どんな原稿にも対応できるという強みがあったから。経験豊富なデザイナーはセンスだけではなく、対応力もスゴいんです。


申込み


いよいよお申込み。費用の支払いは、全額前払いの会社・半金ずつの会社などさまざまあるかと思いますが、パレードブックスでは申込時に着手金11万円、残りは校了時にいただく形です。

それと初めての出版で盲点になりがちなのは、本の権利や在庫についての契約。自分のお金でつくった本なのに、あとあと「本の権利は出版社が持ちます」「売れ残った本は買い取って」なんて話になったら大変ですから、しっかり内容を確認しておきましょう。


原稿提出~デザイン~初校提出


原稿・画像データなど原稿一式をご提出いただいたら、原稿内容を踏まえて、コーディネーターが誤字脱字や文章の流れなどをアドバイス。著者にご希望をうかがいながら、本の仕様を固めていきます。おまかせでもかまいませんが、なかなか口頭で伝えづらいこだわりポイントがある場合は、イメージに合った参考書籍があるとよりスムーズです。美容院で写真を見せて、「この髪型に近づけて!」と伝える感じですね。

原稿が整ったら、いよいよデザイナーが制作を開始。表紙や本文ページすべてができるまで、およそ4週間かかります。著者も、私たちもドキドキの瞬間。


全体の校正と修正


あとは本の完成に向けて、初校・再校・念校と、校正と修正を繰り返します。希望通りのデザインに仕上がっているか、誤字脱字はないか、写真やイラストの見え方はどうか。本が完成した後で後悔しないように、細部までしっかりチェックしましょう。





校了&部数決定、残金の支払

「もう大丈夫」と納得できたら校了、印刷する部数を決定します。ここで残金をお支払いいただき、いよいよ最後の工程である印刷へ。最後に印刷部数を決めるシステムのメリットは、出来映えを見て部数を変えられることですね。最初から部数が固定していたり、前払い一括支払いの会社の場合には、こういったことはできませんので注意が必要です。


印刷・製本


印刷前の最終チェックが完了したら、ここからは印刷のプロの出番。コーディネーターとデザイナーが印刷会社に指示を出し、白焼きや色校正といった確認作業を経て丁寧に仕上げます。以前に笹生が「ソフトカバー、ハードカバーの違いを教えて!」でも紹介しましたが、ハードカバーは製造工程も多いので、ちょっとだけ時間がかかりますが約4週間で完成です。


完成


いよいよ本ができました! 制作スタートから完成まで平均3~4ヶ月でしょうか。こう聞くと長いと感じるかもしれませんが、実際にやってみるとものすごく濃密です。自分の本についてあれこれ考えるのってすごく楽しくて、ああ終わってしまった…と本づくりロスになる方もいらっしゃるくらいですよ。私もコーディネーターとして同じように、ああ終わってしまった…と感じています。みなさんも、この楽しい日々を一緒に過ごしませんか?




配信日:2018年10月25日

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