ラクラク上達!本づくりに役立つ文章の書き方10ヶ条

「本を出したいけど、文章を書くのは苦手。ましてや何万字も書けるわけがない…」

そんな風に悩んでしまう原因の大半は、うまい文章を書こう、書こうとしすぎることにあります。ボキャブラリーや言い回しのセンスは大事ですが、「ラクに書けて、読みやすい」文章が基本中の基本。骨子を固める前に肉づけから考えようとすると、なかなかうまくはいかないものです。

今回ご紹介するのは、「ラクに上達できる」文章の書き方10ヶ条。どなたでも実践できる内容なので、肩の力を抜いてご覧ください。


1.何を書きたいかはっきりさせる

執筆に入る前に、まずは文章を通して「誰に」「何を」伝えたいかを考えましょう。
たとえばダイエットの本なら、

「自分と同世代の30代女性向けに、無理のないダイエットの方法を教えたい。思わずSNSでつぶやきたくなるような本」
といった風に。これが大事な軸になります。

本の執筆は数ヶ月、数年に及ぶ長丁場。その日の気分で思うがままに書いていると、言葉選びや文体にいちいち迷いが生じて、書くのが嫌になってしまうことも。そんなときに明確な基準があると、「SNSで広めてもらうなら、理論よりも豆知識。もっと前向きな内容に…」といったスムーズな判断ができ、文章全体のトーンが格段に安定します。


2.書く前に見出しを考える

文芸書のような芸術性の高い本以外は、その章で伝えたいことをしっかり整理して書くのが重要です。主要なキーワードを挙げ、見出しをつけてから執筆に入りましょう。
原稿作成が煮詰まってしまう原因は、

・そもそも伝えたいことがはっきりしていない
・書く材料が揃っていない


のどちらかがほとんどです。どんなに口が達者な人でも、テーマを決めずにただ話し続けるのは難しいでしょう。


3.難解な言葉、専門用語は使わない

ここからは少し、具体的なテクニックの解説に入ります。

文章を書く際は、できるだけ万人にわかりやすい表現を使うのがポイント。よく言われることですが、中学生でも理解できるように書くくらいがちょうどいいです。アライアンス、シナジー、マイルストーン…その凝った表現は、本当に必要なのでしょうか?

もちろん、研究書のようなジャンルでは、専門用語を使わずに説明するのは難しいでしょう。その場合も、話の本編でダラダラと説明するのではなく、章末の註釈・用語集などの別枠にまとめると格段に読みやすくなります。



『トマトの10の効果』
実験結果や成分の名前など専門性の高い本でありながら、文章自体はシンプルで読みやすい印象。比較的難解な部分は図解・グラフ化して、視覚的に理解できるようになっています。


4.頻出語をひらがなにする

ある文字を書くときに漢字・ひらがなで迷ったら、ひらがなにしておきましょう。(「ひらく」といいます)。漢字が多すぎる文章は敷居を上げてしまいますし、あとから自分で見返すときも大変です。

とはいえ、軋轢を「あつれき」としたり、躊躇を「ちゅうちょ」とひらくのはさすがに違和感がありすぎますし、ひらがなが多すぎると逆に読みづらくなります。まずは登場回数の多い、身近な表現をひらがな化するのがいいでしょう。

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(ひらがなにした方がいい言葉・文字)
便利な置き言葉・・・大体、一旦、随分、結構、多分
一文字・・・時、達、事、毎、等、為
動詞・・・頂く、下さい、居る
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例を挙げたらキリが無いですし、最初は迷うこともあるかもしれません。ですが、一度自分なりのルールを固めてしまえば、今後文章を書く上で大きな財産になります。共同通信社から発売されている『記者ハンドブック』などを参考にしてみるのもオススメです。


5.一文を短く、主語はできるだけ早く出す

文章は、1文にいくつも複数の意味をもたせようとするほど解りづらくなります。慣れないうちは「1文で伝えることは1つ、もしくは2つ」を心がけましょう。

もうひとつのポイントは、主語をできるだけ最初にもってくることです。
まずは童話『桃太郎』を題材に、ダメな例を見てみましょう。


…なんと冗長なのでしょうか。犯人はコイツだ!とばかりに「おばあさん」を強調したいというのなら分かりますが、もちろん、そんな趣旨の文章ではありませんよね

ここで、元の文章を思い出してみましょう。

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◯ おばあさんは川へ洗濯に行きました。すると、川の上流から大きな桃が、どんぶらこどんぶらこと流れてくるではありませんか。おばあさんは桃を持ち帰り、包丁で割ってみることにしました。
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さすが子どもに聞かせる文章。嫌味がなく、読みやすいですよね。


6.同じ言葉の重複を避ける

次は、まず文章から見ていただきましょう。どこがおかしいのか、一度考えてみてください。


おそらく大半の方が、「何かヘン」と感じるのではないでしょうか。5の失敗例と比べると1文1文は短いのに、なぜこれほど読みづらいのか。違和感の理由は、次のような問題点からきています。

─────
× 主語述語がねじれている。主語「私は」→ 述語「趣味だ」ではおかしい
×「私」という語が何度も繰り返される
× 同じく、「本」という言葉も同様。「本当に」という表現ともかぶっている
× 文末がすべて「だ」で終わっていて単調
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文法的の間違いはもちろんのこと、同じ言葉、表現を何度も繰り返すと文章のリズムを損ない、単調な印象を与えます。

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◯ 私の趣味は本屋めぐりだ。お店に入ると、まずは新刊書籍コーナーをチェックするのが日課。真新しい表紙が並んでいるのを眺めるのは、最高に気分がいい」
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どうでしょうか。しつこすぎず、「文章が流れている感じ」が出たのが分かるかと思います。


7.具体性のある文章を心がける

書けるには書けたけど、さっぱりしすぎて味気ない。そんな文章のスパイスになるのが「具体性」です。ある状況を描くなら5W1H、モノの描写なら形状・材質・ブランド名といった付帯情報を書き加えることによって、読者それぞれが場面を想像しやすく、飽きづらい文章をつくることができます。

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(例)
・ウイスキー → シングルモルト → 12年もののザ・マッカラン
・ひげ→あごひげ→喉元に大きく垂れるヤギのようなあごひげ
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ただし、メリハリは大切に。あらゆる情報を詰め込もうとすると神経質な印象になるので、強調するポイントは絞りましょう。なんでもないようなテーマでもプロが書くと面白いのは、このあたりの緩急が非常に大きいのです。


8.形式的な表現、曖昧な表現を削る

無難な表現を多用すると、どんどん主張がぼやけてしまいます。
文頭に「はっきり言わせてもらうと」とつけたり、文末を「ないわけではない」と二重否定にしてみたり。こうした部分を言い切り表現に変えていくと、自然と歯切れの良い文章になります。


9.自分なりの意見を織り込む

事実を列挙しただけの文章は読んでいても面白くありません。あなたなりの着眼点で考察し、自分の意見を入れることで、読み手に感情が伝わります。

そこでオススメしたいのが、「書いた文章を声に出して読んでみる」という作業です。シンプルな方法ですが、句読点が自然な位置に打たれているか、自分はその文章に納得できるのかなど、複数のポイントを一度にチェックすることができます。


10.引用する

最後は力技。「他人の文章を借りる」という方法です。
とはいえ、もちろん無断で盗用するわけではありません。本の文章は、ちゃんと引用元を明記すれば、他の人の文章をそのまま借りることができます。ちょうど、SNSで他人の記事をシェアするような感じですね。他書を紹介したり、時には批判しながら持論を展開するのは、決して悪いことではないのです。

ということで、文章のコツ10ヶ条を挙げてみました。
ものを書く作業は、最初は専門的で難しく感じるもの。でも、ある程度までは誰でもすぐに上達できます。書くことに抵抗がなくなり、楽しくなると、仕事や趣味でもプラスになることはとても多いですよ。

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