文章をスラスラ書けるようになりたいです。書き方のコツはありますか?

ご質問ありがとうございます。
今回は、大阪の出版コーディネーター・森がお答えします。
アイデアはあっても形にできない…。私もライター経験がありますので、苦しい心中お察しします。少しでもヒントになれば幸いです。

まったく書けない方

伝えたいことはたくさんあるのに、いざ書こうとすると何から書いていいか分からない。そんな悩みをお持ちの方は非常に多いですよね。

この場合、そもそもテーマがはっきりしていないことが考えられます。どんなに口が達者な人でも、大まかな台本すらつくらずに話し続けるのは難しいもの。まずは箇条書きでいいので、あなたの伝えたいことを書き出してみてください。

ひととおり材料が揃ったら優先順位をつけましょう。「一番に伝えたいことは何か?」「どういう順番で話せば伝わりやすいか?」と整理してみると、全体の構成や書き出しが自然に決まってきます。

文章が下手だと悩んでしまう

よほど文学的な作品以外、上手な文章は必要ありません。大事なのはきちんと相手に伝わることです。こうした悩みを脱するヒントは意外なところにあって、それは、読者の顔を想像するということです。

・親戚の子どもに勉強を教える
・同学年の友人に、最近あったおもしろい話をする
・取引先に新商品を提案する

同じ人物でも、状況によって言葉遣いや話し方は変わりますよね?

伝える相手を無視して、自分にとっての上手い文章、良い文章ばかり考えていると、ゴールはなかなか見えません。読者に話しかけるように、書いてみるといいでしょう。

何度も書き直してしまう

多少気になる点があっても、最後まで書き切ってみるという経験は非常に大事です。気分が乗らないと言い訳をしたり、一歩一歩立ち止まって文章の善し悪しを判断したりするより、まずは完成を目指しましょう。推敲は、最後にまとめるほうが効率的です。

素人とプロの一番大きな違いは、締め切りがあるということ。時間制限の中で完成させることで、上達スピードは格段に変わります。

また、文章は必ずしも本に掲載する順番の通りに書かなければいけない決まりはありません。その時書きやすいパートから、どんどん書きためていくのも有力な方法です。

もっとラクに書きたい

スラスラ書ける人には、自分の得意な「文章の型」があります。自分が書きたい本に近い類似書や、好きな作家の文章を分析してみましょう。語彙力やレトリックは一朝一夕に身につかなくても、文章の型を真似することはできるはずです。

大きな枠組みでは「起 → 承 → 転 → 結」(小説、コラム)、「序論 → 本論 → 結論」(論文)、「結論 → 説明 → 根拠」(ビジネス)などが有名ですが、細かくかみ砕いていくと、数え切れないくらいのパターンがあります。

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(例)
感嘆(世の中にこれほど美味しい食べ物があったなんて!)
 → 説明(それは私の人生史上最高のカレーだった)
 → 背景(そもそもその寂れた喫茶店に入ったのは…)
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日々の読書で気になった文章を分析して、自分の文章に当てはめながら表現の引き出しを増やしていく。即効性はありませんが、長期的に見て確実に効果の上がる方法です。

以上、文章を書けない人のための悩み別ヒント4種類をご紹介しました。
今回挙げた以外では、やはり誰かに見せてみるのが効果的です。パレードブックスは無料で原稿へのアドバイスを受けつけていますので、いつでも原稿を送ってみてくださいね。

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森美貴恵

パレードブックス 森美貴恵
大阪本社勤務の出版コーディネーター。最近はノンフィクションや実話ベースの小説に惹かれがち。