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第01話
文章は1行目が勝負!
勝負は、ほんの数秒で決まります。
といっても、スポーツや格闘技のお話ではありません。
文章で読者の心をつかむ……、その勝負は、数秒で結果が出てしまうのです。
私たちが文章を読むとき、最初の1行から数行の間までは、
どんなにつまらない内容でも我慢することができます。
義務で読まなければいけないものは別として、
なんらかの文章を読み始めて、ほんの数行ほど目を通した段階で、
興味が湧けば読むし、湧かなければ読まない。これが普通の読者の心理です。
また、書き出しの数行を読む間に「先入観」が形成され、
批判的に読むか、好意的に読むか、といった態度の差も出てきます。
「名作」と呼ばれる作品を手にして、読み始めると同時に夢中になり、
一気に読み切ってしまった、という経験は、誰にでもあると思います。
そのとき私たちは、「1行目」で心を奪われたはずなのです。
つまり、世の多くの読者は、
「1行目を読むほんの数秒の間に、その文章の価値を判断してしまう」
といっても過言ではありません。
たとえ、書き手が数カ月、数年かけて書いた文章でも、結果は同じです。
ある意味、とても残酷なことでもあります。だからこそ、
「素晴らしい『1行目』を書くために全力を尽くす」
という姿勢や意気込みが大切になるのです。
これは、小説、エッセイ、論文、プレゼン用資料等々、
「どんな文章にも共通の法則」といえます。
1行目からおもしろくない小説を我慢して読み続けますか?
1行目で相手の心をつかめないプレゼンテーションは成功しますか?
キャッチコピーに魅力のない広告の中身を読みますか?
文章の勝敗は、1行目で決まってしまうのです。
◆ヒント&ポイント◆
「論旨からズバリ!」
「まず問いを投げかける」
「論旨とは無関係に思える言葉からスタート」
「どう書いたら読者が驚くか」
「いかに読者を(いい意味で)裏切るか」……。
「気に入った1行目を思いつくまでは一文字も書かない!」
というぐらいの気持ちで、原稿用紙(ワープロ・PC画面)に向かってください。
きっと、良い文章を書けるようになりますよ!