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第08話
体言止めについて

文章の技法の一つに、「体言止め」があります。
「名詞止め」ともいいます。
体言止めとは、ご存じの通り、
センテンスの末尾を「体言(名詞、代名詞など)」で結ぶ書き方のことです。
通常の文章でも用いますが、和歌や俳句でよく使われる技法でもあります。

文の末尾を名詞で結ぶと、そこで一瞬リズムが止まります。
文の流れをいったん止めることで、読者の注意を喚起したり、
歯切れのよい調子を出すことができます。
詩歌でうまく用いれば、余韻を持たせる効果も生まれます。
さらに、センテンスの末尾のバリエーションとしても使えるでしょう。

このように、体言止めは、文章のリズムをつくるのに有効な方法といえます。
しかし、あえて私は、皆様に対して、
体言止めを「なるべく使わない」ようおすすめしたいと思っています。
というのも、一つの文章の中で何度も用いると、
文章全体のリズムが「途切れ途切れ」になり、
上に記したような「効果」が薄れてしまうからです。
つまり、結論としては、
「体言止めは、特にその効果を生かしたい場所に限って使用する」
と考えていただきたいのです。
どの程度使うかは、書き手の好みの問題でもありますが、
いずれにせよ、あまり頻繁に使うべきではないでしょう。

いっぽう、宣伝コピーや雑誌の記事などでは、
体言止めが多く使われる傾向があるようです。
これには、短い文で主題を強く印象づけようとしたり、
誌面のスペース節約のために文字数を減らす、といったねらいがあります。
通常の文章では、 体言止めを使いすぎないほうが、
かえってその効果を生かせる、と考えてください。

◆ヒント&ポイント◆
「体言止めは、文のリズムをつくる技法として有効である」
「体言止めは、場所を絞って効果的に使う」

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