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第15話
「論理の飛躍」にご用心!
親しい人同士で、たわいのない話をしているときには、
話題があちこちに飛んでも、なんとなく会話は成立します。
しかし、文章を書くうえでは、
話の筋がきちんとつながるように表現しないと、
何を言いたいのか分かりにくくなり、
読者を混乱させてしまうことになります。
たとえ突飛な展開の物語であっても、
自然に納得できる形で文章が流れていないと、
読者は違和感を感じるはずです。
文章を書くときに犯しやすいミスの一つに、「論理の飛躍」があります。
上に述べたように、話の展開の中で筋が通っておらず、
つじつまが合わない書き方になっている状態を意味します。
ここで、論理の飛躍が生じる主な原因を分析してみましょう。
1)書き手の頭の中ではきちんと論理が組み立てられているが、文章の表現力が
不足しているために、結果的に論理がつながっていない文になってしまう。
2)書き手の頭の中で論理展開が先走ってしまい、途中の説明が不十分なまま、
次の展開を書き進めてしまう。
3)書き手の頭の中で論理がきちんと整理されていないため、書き進んでいく
うちに、つじつまが合わなくなってしまう。
4)書き手にとっては当たり前だが、多くの読者(相手)にとっては知らない
ことを書くとき、つい説明がおろそかになったり、説明する必要性がある
ことに気づかずに書き進んでしまう。
いずれの場合も、書いた本人が文章の矛盾点に気づかなければ、
「論理の飛躍」を防ぐことも修正することもできません。
また、文章の表現力を身につけるには時間がかかりますから、
今すぐ文章力を向上させて書き直すわけにもいきません。
大切なのは、書いたあと、深呼吸をして頭を切り替えてから、
「読者になったつもりで読み返す」ことです。
そして、論理が飛躍している(つじつまが合っていない)箇所を見つけたら、
多少表現がくどくなっても構いませんから、
ていねいにわかりやすく説明するよう心がけましょう。
「自分が言いたいことを書く」という姿勢ではなく、
「自分が読者だったらここまで説明してほしい」という感性を持つことが、
きちんと筋道の通った文章づくりにつながるといえます。
◆ヒント&ポイント◆
「自分では気づかないうちに、つじつまの合わない書き方をしていることがある」
「読者の目で読み返し、論理が飛躍している箇所を発見して修正する」