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第17話
言葉を言い換えてみよう!

一つの文章の中で、同じ言葉を何度も繰り返して使用すると、
読者に「単調な文章だな」という印象を与えることがあります。
あるいは、「この書き手はボキャブラリーが乏しいのでは?」
と感じる読者がいるかもしれません。

これを防ぐためには、同じ言葉を繰り返さず、
別の表現を工夫して適宜織り交ぜる、というテクニックを用いるとよいでしょう。
うまく使えば、文章が味わい深くなり、少し上級者らしい雰囲気が出ます。
次の例文をご覧ください。

【例文】
2004年夏、ギリシャの首都アテネで「オリンピック」が開催された。この「世紀
の祭典」に参加した各国代表選手は、類いまれな才能に恵まれただけでなく、想像
を絶する鍛練を積んで技と力を身につけ、「最高の舞台」で最高の成績を目指して
競い合った。メダルを手にできたのは一部の選手かもしれないが、「五輪」の旗の
もとで全力を尽くした選手たちの胸は、充実感で満たされていることだろう。

ここでは、「オリンピック」という言葉を繰り返さずに、
「世紀の祭典」「最高の舞台」「五輪」と言い換えて文章を組み立てました。
これらすべてをオリンピックという言葉で統一するよりも、
どことなく味わいが感じられるようになっていると思います。

エッセイでも小説でも、何らかの文章を書く際には、
一つの言葉を連続して使わず、
「別の表現に言い換える工夫」をしてみてください。
無理に難しい言葉をひねり出す必要はありませんが、
ちょっとした工夫で、文章の雰囲気はガラリと変わるものです。

ただし、あまりやり過ぎると、猫の目のように変化する言葉に惑わされて、
結局何をいいたいのかが伝わりにくくなることもあるので、
ほどほどにまとめるバランス感覚も大切です。

なお、論文やレポート等で、キーワードとなる言葉に関しては、
あまり頻繁に言い換えないほうがよいでしょう。
かえって論旨が散漫になってしまう危険性があるからです。
逆に、キーワードを連発することで、
強調したい事柄を際立たせる効果をねらうこともできます。

◆ヒント&ポイント◆
「同じ言葉を繰り返し使うと、文章が単調に感じられる」
「同じ事物を複数の言い方で表現することにより、文章が味わい深くなる」
「論文やレポートのキーワードに関しては、頻繁に言い換えないほうがよい」

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