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島田 妙子さん

02e love smile ~いい愛の笑顔を~
memory.1島田 妙子さん

「e love smile 」~いい愛の笑顔を~memory.1

ジャンル:エッセイ  発行:2011年7月

e love smile ~いい愛の笑顔を~
memory.1

2013年度第16回日本自費出版文化賞エッセー部門賞

著者自身が継母と実父から受けた虐待を赤裸々に綴った衝撃作!壮絶な虐待を受けながら、笑顔を失わなかった一人の少女の物語。続編のmemory.2とともに大きな反響を呼び続けている。

書いた後、心の奥底にしまいこんでいたものが体から
全部出て軽くなった。
みなさんも本を書いたらいいのに!

Parade Books 日本自費出版文化賞受賞、本当におめでとうございます。エッセー部門は今回初めて創設されたようですが「第一回にふさわしい」と講評されて、本当に嬉しくて私も感動しました。
著者 ありがとうございます。テーマ自体は暗い虐待の話なんだけど、選考委員の方がとにかく夢中になって読んだので次回作を楽しみにしている、と(笑)本を書いたのが初めてなのもあって、ほんとに嬉しくて。「こういう賞があるんだ、じゃあ申し込んでみよう」という感じだったんで、まさかまさか受賞なんて。敬遠されるだけかなって思ってたんですけどね。なんか魂勝ちというか(笑)
Parade Books 重いテーマですけど、暗い感じで書いてないですよね。表紙のイラストも良かったですし。
著者 物語チックになったからかなあ?じゃりん子チエの声優をされていた審査員の中山さんが「あんたこそチエや」って喜んでくださいました。神戸弁で書いたことも、結果としてはすごく良かったみたいで。
Parade Books 受賞のご連絡を受けて、どうでしたか?
著者 選考委員の方の携帯から「今決まったとこなんです!」って興奮された熱いかんじで連絡がきて(笑)でもどういう賞かはよくわかってなくて、会場にいって「あー、ほんまに受賞してたー」みたいな(笑)
Parade Books 表彰式でのスピーチも素晴らしかったですが、普段の講演もたくさんされてますよね。
著者 そうなんです。元々はいろんな講演会場で「本ってないんですか?」って言われてて。「ええー!そんなん書けません書けません」って言ってたんですけど、いろんな講演会場で何度も声をかけていただくうちに「えっ、そお?」と思ったことが本を書いたきっかけですね。
Parade Books 本を書いたことで、講演の内容も変わりましたか?
著者 変わりました!これまでは上手に表現できず、結局辛くて悲しい話になってしまってたんですね。私のなかで、過去のことは“への河童”のつもりだったんです。でも、それは思い出したくない過去を封印して、ちゃんと向き合ってなかったからだと思うんです。「memory.1」を書き始めて「そうやった、こんなことあった、あんなこともあった」の連続で…。「あっ、自分にこんな感情があったんや」って。自分の過去を文字にして、客観的に見るという作業はすごい経験でした。でも、文字におこしたことでようやく消去できた。この時こう思っていたのが素直な私の感情だったんだなって。
Parade Books 出版後の反響はいかがですか?
著者 書き上げた瞬間は「はーーっ(脱力)」という感じだったんですけど、何より本を読んだ方が必ず連絡くださるくらい反響がすっごく良かったんです。テーマが虐待なので、最初は興味本位でも読みやすいので一気に読める。続編の「memory.2」で泣いて浄化されて…最後は「よっしゃ、がんばろう」みたいな気持ちになりましたって感想をいただいて。
Parade Books たしかに、文章が苦手な人でも読みやすいです。
著者 もちろん、最初は講演会に来てくれる人がターゲットでした。書き始めた頃には、虐待している人も「ん?」って気になって読んでもらえればと思うようになって。あとは、私みたいに虐待された人がたくさんいるんですよ。大人になっても恨みの感情だけが残ってて、日常生活も上手くいかない、良い人も寄ってこない。男にだまされたり。それを自分がされてきたことだから納得してしまい、人のせいにしてしまう。そんな人にも「自分次第でこんなに変われるんや」ということを届けたいなと思って。
特に最近は、十代の間にも本がまわっているんですよ。ニートで母子家庭のお母さんに反抗してた17歳の男の子が、同級生からこの本を渡されてすごく衝撃を受けて…。「島田さんのような大人になりたい」ってが私のブログに書き込んでくれたり。「まあ、読んでみ」の一言で、口コミでまわっていくんですよね。
Parade Books 口コミでまわるっていうのはすごいことですよね。講演会を聞いた方が、後日書店に問い合わせて…。
著者 紀伊国屋さん、ジュンク堂さん、旭屋書店さん、福家書店さんなんかは、読者から「本ないですか?」の問い合わせで置いてくださってます。私も知らなかったんですけど、図書館にはもう全国何十カ所に入ってるみたいで。教育委員会からも注文をいただいているんです。
Parade Books 図書館にはほんとにピッタリ。小学生から大人まで読んでもらいたいです。
著者 なんか軽くなってほしいんです。「なんでこんなことで悩んでたんやろ?」みたいな。もちろん重い悩みもあるでしょうけど、一つずつ「よっしゃがんばろう」って、中学生なんかが大人になっていく時にどこかに残ってもらえたら、と思ってます。本を買って講演会に来る人、講演会に来て本を買う人、友達にすすめられてっていう人…いろんな方がいますね。
Parade Books TVや新聞などメディアにも注目されましたね。
著者 全部本がきっかけです。この本を読んだNHKのディレクターさんが絶対に取材したいって。NHKが番組の構成を考えてる時にMBSからも声がかかって。産経新聞がWebで紹介してくれたのもやっぱり大きかったですね。
Parade Books お便りなんかは届いてますか?
著者 はい、いただきます。年配の方もいらっしゃいますし、幅広いです。今年、たくさんの人が読書感想文の本に選んでくれたようで、読書感想文もいただいたりするんです。
Parade Books 島田さんが一番印象に残っているシーンはどこですか?
著者 そうですね…。いっぱいあるんですよね。でも「memory.1」の子供の頃の部分というのは客観的に見た感じなんで、実はそんなにないんですよ。自分の作品を受賞したときに読み返してみると、けっこう自分で泣いて(笑)やっぱり…「memory.2」の兄が亡くなったことですかね。もちろん父の死もそうですけど。だけど、辛かったことは、こうしてみるとすべてが笑い話なんですよ。
Parade Books お兄さんとお父さんが亡くなられた部分は、かなり悩んだところだったんですね。
著者 そうですね。命を感じてもらいたいシーンだったので。元々は、私のことじゃなくて白血病で亡くなった兄の物語を書きたかったんです。死んでいかなければいけない人の魂や気持ちをぶちこみたかった。死にたいと思ってる人や病気で闘っている人にも思いを届けたい、という感じかな。
Parade Books インターネットが主流の時代に、やっぱり本の力はすごいなと改めて感じますね。
著者 講演だと、その時の人の状況でどの部分が響くかわからないんですよね。もし私がいなくなっても、本っていうカタチがあることで少しでも伝わっていくと思うと嬉しいですね。だから、みなさんもっと本を書いたらいいのに!って思います。もちろんお金はかかりますけど、車一台買うよりはよっぽど有意義というか。全員に響かせようと思うと欲が出ますけど、たった一人でいいんですよ。たった一人の魂に響くと広がっていくんですよね。この本を書いた後、自分でも気づいてなかった心の奥底にしまいこんでいたものが、体から全部出ましたからね。軽くなった。
Parade Books 本当に島田さんの人生がまるごと入ったような大作。デザインのお話もお伺いしたいんですが、表紙についてはかなり明確なイメージがありましたよね。
著者 ざっくりのイメージはあったんですけど、もう大満足です!単色でイラストをいかした感じがいいかなって。イラストのインパクトがきいてますね。
Parade Books 帯も衝撃的な案を選んでいただきました。
著者 「memory.1」は笑顔と帯とのギャップがね。インパクトを与えたかったんで。
Parade Books 文体が軽くてイラストも楽しい。大き目でポップな可愛らしい文字にして、読みやすいレイアウトに仕上がりました。
著者 その時はあんまり深く考えなかったんですけど、私自身が小説とか読む時に小さい文字は辛いから、文字は大きくしたかった。年配の方に向けてたのかな?まあ、これぐらいが自分自身は一番読みやすいかなって。
Parade Books 紙も「クリームキンマリ」っていう風合いのあるものにしましたね。
著者 この色が良かったです。やさしくて、手触りも好きなんです。ちょっとなつかしい感じもあって…。
Parade Books 完成品を手にとった時の感想って覚えてますか?
著者 一作目は「ほー!(感心)」ですよね(笑)手に取っていろんな角度から見て「やー、できたー!」というかね。とにかく形になったのが嬉しかったです。何回もデザインを見せてもらってたのでイメージ通りで「あー、良かった」って。
Parade Books ご満足いただけて良かったです。
著者 最初は「やっぱりお金もかかるやろうな」って。自分の本ができるというのが想像できなかったんですよね。でもパレードブックスさんをご紹介いただいて、社長さんが児童養護に関する活動をしているって聞いてね。なんていうか、すごくやさしさを感じたんですよ。いろいろ丁寧にご説明いただいたり。こんなに校正したりデザインしてもらえるわりには「こんな価格でできるんや」って。「あ、やろう」「あ、やろう」って後押ししてくれたというか。最初は、書いてホッチキスでとめるくらいでもいいなと思ってたので。まあ売れないけど(笑)原稿を見て泣いてくれたり、感想をくれたりするなかで、夢中になって仕上げることができましたね。最後の最後まで一緒に興奮してくださったので、とにかく嬉しかったです。
Parade Books ありがとうございます。お話をお伺いできて本当に良かったです。
著者 受賞がわかるように、表紙に貼るモンドセレクションみたいなシールもつくりました(笑)
Parade Books いやあ、素晴らしい!本当におめでとうございます。
著者 もう一冊がんばります!
Parade Books ぜひぜひ、お待ちしております。今日はありがとうございました。

島田 妙子(しまだ たえこ)
1972年神戸生まれ。幼稚園を中心に想い出のDVDを制作する株式会社イージェットの代表取締役を務めながら、 児童虐待やいじめ問題をテーマに日本各地で講演を行う。3人の子育て、介護、会社経営…母、そして働く女性として活躍中。

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