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宮崎ツヤ子さん

13「宮崎ツヤ子コレクション モラのカラー図鑑 ~パナマの先住民アート~ The Tsuyako Miyazaki Collection MOLA ART FROM KUNA YALA OF PANAMA」宮崎ツヤ子さん

「宮崎ツヤ子コレクション モラのカラー図鑑 ~パナマの先住民アート~ The Tsuyako Miyazaki Collection MOLA ART FROM KUNA YALA OF PANAMA」

ジャンル:写真集 発行:2017年1月

「宮崎ツヤ子コレクション モラのカラー図鑑 ~パナマの先住民アート~ The Tsuyako Miyazaki Collection MOLA ART FROM KUNA YALA OF PANAMA」

パナマ・クナ族の女性が着る民族衣装「モラ」。厳選された1,800枚をオールカラーで紹介している日本初のモラ図鑑。40数年におよぶモラ研究と蒐集の集大成であり、伝統民族手芸「モラ」の研究資料としても貴重な一冊。

写真撮影や執筆や英訳のすべてを希望どおりにできて、本当につくりたい本になりました。大満足です!

Parade Books 最初、突然会社に来てくださったことがすごく印象的でした。東京支店が恵比寿にあったときでしたね。『モラのカラー図鑑』以前にも自費出版をされていたとのことですが、そのキッカケをお聞かせください。
著者 自費出版を初めてお願いしたのは、西武百貨店の関連の出版社です。1986年にパナマから帰国してすぐモラ教室を開いたのですが、自分でイラストを描いてワープロでテキストをつくっていました。そうこうするうちに、西武百貨店が自費出版を始めたということで「自費出版」を知って、そこでテキストをつくることにしました。その後、その出版社から独立された方のところで増刷や続編をつくっていたのですが、『モラのカラー図鑑』はモラ画像の枚数がテキストとは桁違いに多いので、ひとりで運営しているその出版社では難しいと判断して、別の自費出版会社を探していたんです。そんな時、前田佳子さんの『カリブ海の宝石モラ』を見て出版元のパレードブックスを知りました。モラの写真集を出された出版社だったら、「モラってなんですか?」というところから始めなくて済むと思いました。ちょうど恵比寿ガーデンプレイスで同窓会があったので、その帰りに寄ってみようと思い立っていきなりうかがいました。
Parade Books 当時は恵比寿にあって良かったです!モラ教室は86年からで、ずっとテキストを自費出版されてきたということは30年以上ですね。
著者 3年前の教室作品展が30周年記念展でした。知人の紹介で別の出版社さんにもお話を聞いたんですが、料金が高すぎるのと、出版社のやり方というのが決まっている部分があって、希望どおりの出版ができなさそうだったのでお断りしました。プロとしてこうあるのが良いということを押しつけるような出版社もあるんですね。
Parade Books パレードブックスは著者のやりたいことを全面的に叶える、著者の方のつくりたい本をつくるというポリシーですが、いろんな方のお話を聞くとやり方が決められてしまう出版社も少なくないようですね。
『モラのカラー図鑑』の出版費用はパレードブックスとしてもかなり高額でしたが、ほかの出版社さんでもっとお安くできるところはありましたか?
著者 それは調査していないです。先ほどの出版社さんは、半分モノクロにしてもオールカラーのパレードブックスより100万円高かったですし、担当の方がモラを知らなかったのがショックでした。『カリブ海の宝石モラ』を出版された会社と知ってから、パレードブックスで自費出版すると決めていました。
Parade Books ありがとうございます!『モラのカラー図鑑』は写真もキレイに撮られていますよね。
著者 モラの写真は弟の丸地貞男に撮ってもらいました。これ全部屋外で撮っているんですよ。太陽光で、天気もなるべく同じ条件の日に。ほかの予定や都合があったんで、全部撮り終えるのに10年かかりました。その努力に報いなきゃっていうのが原動力として大きかったですね。そのあと解説文執筆、英語のタイトルと説明に3年くらいです。直訳ではなくモラごとに内容や表現を少々変えているので、英語担当の宮崎理絵(娘)とはメールで何百通もやりとりしました。
Parade Books 1,800枚のモラを図鑑としてまとめるのは本当に大変だったと思います。
著者 受験勉強の再来みたいな感じでした。集中してやって、少し寝て、夜中に起き出して…時間の使い方が受験勉強ですね。その間に翻訳のことでメールしたり。原稿は身内でつくったので比較的スムーズでしたが、写真撮影や執筆のやりかたが決められちゃうような出版社だったら、調整がもっともっと大変だったかもしれませんね。パレードブックスさんでは思いどおりにできて良かったです。
Parade Books 『モラのカラー図鑑』は大作で、章ごとの原稿が届くたびにボリュームに驚いていましたが、デザイン制作や修正のやりとりはスムーズにできたと感じています。
著者 モラ自体の縦横比率がそれぞれ違うということもあって、バランスを取るのが大変かなと思ったんですが、レイアウトしていただいた写真を見て、「モラのここの模様が少し切れている」と言ったりするとパッと直してくださるから、手早いというか素早いというか、その迅速な対応が本当にありがたかったです。
英語部分の入れ方や文章の改行位置まで細かくお願いをしましたけど、それにも慣れて直してくださったので、あるところまでは大変でしたがスムーズに進められたと思います。章ごとに分けて進行することで原稿執筆と校正をバランスよくできたのも良かったです。
Parade Books スムーズに進んだのは、写真を撮る段階から明度や色彩が揃っていたこと、原稿もわかりやすくまとめてあったことなどで、「こういう本にしたい」というのが明確に受け取れたからだと思います。
完成品を手に取ったときはどうでしたか?
著者 すごくいい本ができたと思っています。本当に。カバーデザインは、この本をどう捉えるかによって違う3種類を提案いただいて、すごく親切だと思いました。どのデザインも良かったのですが、(本を指しながら)コレが一番インパクトがあって良かったです。赤と黒の対比が。
中面のデザインも落ち着いているし、今見てもすごく良い色が出ましたよね!モラは時代によって赤の色合いが違うんですが、昔の赤と今の赤の差がちゃんとキチンと出ているので本当に良かったなと思っています。色で時代がわかるから。
全部気に入っていますが、中でも一番好きなのはこのページ(巻末の写真集部分)。背景に置いたモラの黄土色が濃いような気がしていたんですが、完成本を見ているうちになじんできて「これで良かった」と思っています。この本は満点です!
Parade Books 出版したことによって新しい出会いはありましたか?
著者 新しい出会いというよりは、生徒さんたちは「やっと出た」という感じでしたね。
これが出てから始めたことというと、NHK文化センター青山教室で「モラ鑑賞講座」を開講したことです。『モラのカラー図鑑』をテキストにしています。モラをつくる講座でもこの本を教室に常備して、つくり方や配色の説明に役立てています。
Parade Books それはすごく実用的ですし、「待望の一冊!」という存在ですね。
次回作のお考えはありますか?
著者 今までのテキストの総集篇を考えていますが、既刊本の在庫があるのでタイミングを迷っています。(次回作候補の)写真は全部整理してあるんですが…。
Parade Books 次回作をご出版されるときには、ぜひお声掛けください!
つくられた本をご自身の活動や教室、講演会などでも広められたりと、モラの周知にお役立ていただいて、本当に正しく自費出版の本を使用されているなと思います。
著者 やっぱりほかのみなさんもそうされていますか?
Parade Books 本で生計を立てるというよりも、ご自身の活動があっての集大成であったり、ツールだったりしますので。
著者 そういう意味では良いですね、私も講座のテキストとして使用していますし、説明用として教室で活用しています。
とはいえ、それと売れることとは違うので、今後も図書館やイベントに向けてPRをしていこうと思っています。全国の女子大や美術大学、服飾関係の専門学校などにも、モラをアピールしていきます。つくっていただいたカラフルなチラシはたくさん配布して有効に使っています。
Parade Books ありがとうございます!

宮崎ツヤ子(みやざき つやこ)
1935年東京都渋谷区生まれ。東京大学卒業。1973年現地パナマ在住時にモラに出合って以来、蒐集と研究を続ける。1986年よりNHK文化センター講師。モラ研究家。

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